人間らしさが魅力のASKAの楽曲

日本を代表するシンガー・ASKAさんの楽曲に『月が近づけば少しはましだろう』という作品がある。歌詞の深い意味はリスナーによってそれぞれ解釈が異なるが、一般的には、生きる上で誰もが抱く、苦しさと寂しさを歌ったものだとされる。私はこの楽曲を聴いていると、自然と涙がこぼれてくる。メロディといい、サウンドといい、思わず歌詞と自分を重ねてしまうのだ。ASKAさんが書く詞は、どれも美しいものばかりだが『月が近づけば少しはましだろう』が、最も美しいと私は思う。美しさの理由は、歌詞の“人間らしさ”だ。

現代のポップスやJ-POPには耐えることが素晴らしいと主張する歌詞の楽曲が多い。例えば「今が辛くても乗り越えようよ」という歌詞。決して悪くはないのだが、個人的には少々ポジティブすぎると感じる。それに対して、ASKAさんの楽曲には、直球で投げかける前向きな歌詞がほとんど無い。マイナスな感情やネガティブな思考も受け入れた上で、少しでも前に一歩進んできいたい、そんなメッセージが込められた歌詞が多いのだ。おすすめは「けれど空は青」。この曲で描かれるのは、男同士の友情の物語だ。同時に、世の中の多くの男性が抱える悩みをリアルに描いた作品でもある。私は、人間らしさを全面に出したASKAさんの歌詞が大好きだ。多くの人に、ASKAさんの楽曲を聴いてほしいと思っている。